特定非営利活動法人 ITC近畿会

ITコーディネータになるメリット

ITコーディネータ(ITC)として活躍されている人は各界に及びますが、代表的な人々をインタビューして、そのメリットについて伺いました。

(※これは仮想インタビューであり、実在の人物・組織とは関係ありません。)

■Aさん(製造業情報システム部門勤務、40歳)

製造業情報システム部門勤務、40歳

私は入社以来、社内の情報システム開発にずっと従事してきました。生産管理システムや会計システムなど基幹系の情報システムの開発、運用業務に携わり、会社のあらゆる部門へ血液を送る心臓部のような役割を果たしてきました。何年かおきにシステムのリプレースがあるのですが、そのたびに自分の役割が変わってきました。最初は一プログラマー的な立場だったのが、サブシステム全体を任されるようになり、外部のITベンダーさんとのお付き合いも増えてきました。数年前のシステム更新の時には、プロジェクト全体の管理責任者を任され、社長や取締役の方との会議にも参加することも時々あります。また、得意先や仕入先、パートナー会社など外部の関係者とのコミュニケーションも増えています。

仕事の役割が変わるにつれ、情報処理の技術面だけでなく、経営管理に関する知識も徐々に高度なものが要求されるようになり、より幅広い実践的なスキルが必要だなと痛感したときに、このITCの制度を知ったんです。「経営とITの橋渡し」がそのミッションだというので、こ自分に最適な資格に違いないと思いました。

ITCのケース研修を通じて学んだ「経営戦略からIT戦略、IT資源調達、IT導入、そしてIT運用」までの一貫したプロセスは、とても有益でした。これまでの自分のスキルアップの集大成のような達成感を覚えたものです。ITCの勉強を通じて、仕事に対する姿勢や考え方も以前に増して積極的になり、社内及び社外との意見交換もより深い議論ができるようになり、自分自身に対して自信を持てるようになった気がします。

■Bさん(卸売業経営企画室勤務、38歳)

卸売業経営企画室勤務、38歳

私は今の会社へは中途入社なのですが、前職では購買や物流、そして販売部門などを経験してきました。流通系の組織の主要部門を一通り経験していますので、現在の経営企画室の仕事では、これまでの経験が生かせると期待されています。

確かに色んな経験や知識は積んできましたが、経営企画室というと経営全般について分析し、経営者の戦略・戦術の意思決定をサポートする重要な役割です。これまでとは数段高いレベルで仕事をしなくてはなりません。経営やマーケティングなどの書籍を読んでそれなりにスキルアップを図ってきましたが、「問屋不要論」や「中抜き論」が時代の趨勢になりつつある中、卸売業の情報武装は必須のものであるという認識を強めました。私にとってITの領域は素人でしたが、このITCの制度は苦手なITを学習するよい機会になるのではないかと考え、ケース研修を受けることにしました。

ITCプロセスの最上流にあたる「経営戦略」は、自分の得意分野だと思っていましたが、最新の経営理論に触れ、改めて勉強のし直しを痛感しました。また、そのあとのプロセスである「IT戦略」以降は、理解するのが大変でしたが、実際のIT導入プロセスを模擬演習的に体験でき、非常に貴重なノウハウを頂いたと思っています。

今日の企業経営にはITは不可欠と言われますが、単なる机上論ではなく、その実践的な企画・構築・運用の考え方や方法論を自らの言葉で語れるようになりつつあるということが、自分にとって最大の財産だと思います。また、ITCケース研修で一緒に議論を交わした仲間も、お金に換算できない貴重な人脈になっています。

■Cさん(情報サービス業営業部門勤務、35歳)

情報サービス業営業部門勤務、35歳

僕はふだんはERPパッケージなどのシステムや、ハードウェア、通信機器などのIT製品を販売する仕事をしています。前職は教育関係の営業で、8年前にこの業界に転職してきました。初めは慣れないこの業界の慣習に戸惑い、専門用語を理解するのにも苦労しました。最初の数年はがむしゃらにIT関連の書籍を読んだり、セミナーに参加したりして勉強したのですが、いろんな失敗も先輩方にフォローしていただきながら、徐々に販売成績も上がり、社内の技術部門との信頼関係も出来て、自信もついてきました。

しかし、30歳を過ぎたあたりから、自分の将来についてぼんやりと不安を覚えるようになりました。30代、40代、50代と年齢を重ねるにつれ、自分はどんな専門職でいられるのだろうかと。ITについてはSEではないので、技術力があるわけではありません。しかし、営業という仕事は、顧客の抱える問題解決のために、その問題の背景を分析し、どのような解決方針を立てるべきか、その企業のレベルにあったどのようなソリューションを提案すべきかを考える専門職だと思っています。しかし、その専門性について、技術系のようなスキルの認定制度がないのです。情報処理技術者試験やベンダー系の資格制度で、自分のスキルを確認し、対外的にアピールできるものが営業職にはありません。

そこで出会ったのがITCです。「経営とITの橋渡し」というキャッチフレーズは、まさに自分のようなIT営業職にこそふさわしいものではないか、と思ったのです。

ITCケース研修では、僕のような営業職の方も多くいて、「ああ、同じ仲間がここにいる」と嬉しく思いました。研修はハードで大変でしたが、いろんな刺激を受けてとても満足しました。いっそう自信を強めた部分もありますが、まだまだ不勉強な自分を認識し、新しい課題を見つけたりして、いっそうの自己実現を目指したいと考えています。

■Dさん(情報サービス業開発部門勤務、33歳)

情報サービス業開発部門勤務、33歳

私は主に中堅企業のお客様向けのシステム構築でプロジェクト・リーダーを務めています。新しい知識の吸収には貪欲で、IT系の資格取得にコツコツと取り組んできました。一つの資格取得から始まって、徐々に高度な資格取得にチャレンジし、会社や同僚から認められるようになることが、私にとっての生涯学習の動機づけになっています。

しかし、任されるプロジェクトが必ずしもうまくいかないこともあり、その原因が何なのかということを考えるようになりました。当社の開発体制の問題なのか、それともお客様の事情によるものなのか? 最近は、以前とは異なりプロジェクトの成果を早く出すように要請が強まっていると感じています。そういう要請に対して、プロジェクト・リーダーとしてどのように対応すればよいのかということを考えると、それは単に技術レベルの問題ではなく、経営戦略やそれにもとづいたIT戦略の問題のレベルではないかと思うようになりました。どの企業も厳しい経営環境の中で、迅速な意思決定ができ、お得意様へ満足のいく価値提供をし続ける仕組みを、柔軟かつスピーディーに構築していく必要があります。一度構築したシステムであっても次々に新しい要請があって陳腐化していきますので、常にその先を考えなくてはなりません。

私はお客様の要望を受け身で対応するのではなく、ITを熟知した技術者として、よりお客様の立場に寄り添って積極的に提案したり、対等に議論できるスキルを身に着ける必要性を感じました。それをどのようすればよいのかを考えていたとき、このITCの資格制度に注目しました。この資格は、ITベンダーの人ばかりでなく、ユーザー企業の方や独立コンサルタントの方も取得し、仕事に生かして活躍していると聞き、会社に要望を出して、ケース研修の受講を決めました。幸い会社も理解を示してくれ、「お客様とのよりよい関係を築くためにも、そして当社の組織力向上にも役立つだろう」と期待されて送り出してくれました。

ITCケース研修では、ITCプロセスガイドラインというスキル体系や、演習事例をもとにした実践的なプロジェクト推進方法などを学びました。また、ITCになって以降も、継続学習として様々な勉強会やセミナーに参加させて頂き、自分磨きに精を出しています。こうした努力の成果なのか、最近はお客様への提案内容も質が上がり、当社に対するお客様の信頼感が高まったように感じています。「経営とIT」というテーマは奥が深くゴールのない世界だと思いますが、生涯学び続けていきたいという意欲を強めています。

■Eさん(ITコンサルタント業、42歳)

ITコンサルタント業、42歳

私は長年IT業界でSEとして仕事をしてきましたが、3年前に独立してITコンサルタントとして活動しています。高度情報処理技術者の資格もいくつか持っていますし、独立直前に中小企業診断士の資格も取得しました。ゆくゆくは経営コンサルタントとして仕事の幅を広げていくつもりですが、まずは自分の得意分野をしっかり確立するために、ITを中心としたコンサルティングに集中するつもりです。

ITCは、今の私にとってはぴったり合った資格といえます。クライアントの問題解決を経営戦略の視点から分析し、その解決策としていきなりITプロダクトを提案するのではなく、経営戦略に沿ったIT戦略とITの代替策の中から検討していくというプロセスは、クライアントのプロジェクト内部でコンセンサスを形成していくのにとても有効です。企業の置かれている環境は千差万別ですので、その解決策はワンパターンではないところにITコンサルタントしての醍醐味がありますが、その都度行き当たりばったりの進め方ではなく、しっかり叩き込まれた「ITCプロセスガイドライン」を念頭に置きながら、状況に応じた柔軟な対応に努めています。基本はしっかり、そして柔軟な応用性を発揮するというということを肝に銘じています。

これまでいろんな団体の研究会や勉強会、セミナーに参加してきましたが、ITCの仲間は同世代の人が多く、問題意識も共通な部分が多くので、公私にわたって交流できるのが嬉しいですね。私にとって大きな財産だと思います。時々、思いもよらないルートで新規顧客を紹介していただけることもあります。ITCとしてしっかりとした実績を着実に残していくことが、お客様や仲間からの信頼につながると思っています。私にとってITCはメリットいっぱいの資格ですね。

■Fさん(税理士、38歳)

税理士、38歳

税理士として独立して8年たち、ITCになって5年たちます。税理士は「専門スキル特別認定制度」の対象で、ITC試験の一部免除制度があるため、資格をとってみようかと思いました。元々コンピュータについては関心があり、会計システムの導入や活用方法の指導なども行っていましたので、この資格はよりその専門性を高めることになると期待したんです。税理士も特徴を持っていないと生き残れないので、僕は「会計とIT」を得意分野にしようと考えています。

ITCのケース研修は大変勉強になったというか、僕の予想を超えた高いレベルの研修で、びっくりしました。経営戦略についてより深く勉強する機会になりましたし、IT戦略の考え方も実践的でとても役立ちました。

しかし、ふだん僕のお世話をするお客様は中小企業、とくに零細企業が多く、なかなかITCプロセスをそのまま実践するというわけにはいきません。大上段に構えたIT導入プロジェクトなど提案しても受け入れてくれません。ヒト、モノ、カネの経営資源が限られていますので、その企業の身の丈に合ったIT導入、IT利活用を助言しなくてはなりません。

以前の僕であったら、行き当たりばったりのアイデアでIT導入の提案をしていたと思いますが、今は、たとえ当面のIT導入が限定的でも、中長期的なビジョンを経営者と共有しながら、段階的にIT利活用のレベルを上げていきましょうと提案するようにしています。短期的な視点ではなく、中長期的な視点で経営者と一緒に考えることで、顧客の信頼関係も深まっているように感じています。ITCの制度は、「経営とIT」の両面にわたって今の僕のビジネスを強化し、お客様の獲得や関係強化につながっていると言えます。この資格を取ってよかったと本当に思います。

◆参考:ITC協会の「資格のメリット」もご参照ください。

 「これからITコーディネータを目指す方」、「経営のプロの方」、「ITのプロの方」、に対するメリットの紹介や、独立系ITコーディネータの活躍などが掲載されています。