第13回 プロジェクトマネジメント
ITCインストラクター 大塚有希子
ITCの皆さん、ITCを目指しておられる皆さん、こんにちは。ITCインストラクターの大塚有希子です。今回はプロジェクトマネジメントのスキームについてお話します。
これまで、経営戦略や情報化戦略をRFPにまとめ、システム発注をする演習を行いました。現実には、この上流工程とよばれる計画策定部分は3ケ月程度で行うことが多いようです。ただ、事業の規模や資金調達時期の変動など発注者の状況により1ケ月でまとめたり、1年位かける場合もあります。ITCの専門家によって、短期間に集中した方がよいという考え方や、なるべく時間をかけて細かくじっくりやった方が手戻りが少ないという考え方など様々ですが、いずれにせよ、ITCだけでなく発注側の熱意と参加が重要なことは言うまでもありません。ITCとしては、要所要所で適切な関係者の参画をどのように促して行くかについても考えておく必要があるでしょう。
ケース研修には、いくつかのロールプレイングも組み込まれており、ステークホルダー(関係者)とのコミュニケーションの重要性にも気づいてもらえるように工夫されています。コミュニケーションスキルは一朝一夕に向上するものではありませんが、他の受講生の演習やインストラクターとのやりとりの中で、新しい発見をしていただきたいと思います。
さて、このITCプロセスには、参考になる様々は一般的に認められているスキームが取り入れられています。ISOや経営品質賞、COBITなどはご存知の方もいらっしゃるかもしれません。CBK(Common Body of Knowledge)としてITCのサイトにも掲載されているので参考にしてくださいね。
その中にPMBOK(Project Management Body of Knowledge)というプロジェクトマネジメントの知識体系が紹介されており、ITC演習にも参考になるものです。
プロジェクトは大きくわけると「立ち上げ」「計画」「実行」「モニタリング・コントロール」「終結」で構成されており、
? (1)戦略に基づきプロジェクトを立ち上げる
? (2)要求事項をまとめスケジュール・コストに応じて成果物を定義し、計画を策定する。
? (3)計画に基づき実行する。
? (4)計画どおりに実行されているかモニタリングし、問題があれば対応、リプランする。
? (5)成果物を仕上げ、契約や事務も含めプロジェクトをきっちり終了する。
といった、流れにまとめています。(1)から(5)までの流れだけでなく、(2)(3)(4)をスパイラルに繰り返す、つまり皆さんの良くご存知のPDCA2を繰り返すことを紹介しています。

また、これらの大きな流れの中で、要件やコスト、スケジュールといった実務遂行に関する点だけでなく、リスクマネジメントやコミュニケーションマネジメント、ナレッジマネジメント等の観点の必要性も同じくらい強調されています。
ケース研修では、PMBOKだけを取り上げて、解説・演習を行う部分はありませんが、インストラクターの中にも時間を見てPMBOKについて解説してくださる方もおられるようです。受講生の中にもプロジェクトマネジメントの資格を取得されている方もいらっしゃいます。
戦略策定時のリスク分析や入札説明会や評価の手法の他、実際の開発フェーズや終了フェーズの演習にプロジェクトマネジメントの考え方が取り入れられているので、機会があれば関係する図書を読まれておくと演習の意図を理解しやすいと思います。
(※4年に1度改定されるPMBOKは、7月1日頃、日本語版第4版が出版される予定です。アマゾンで予約を受付中とのこと。)
ご感想・ご意見やケース研修についてこんな事が聞きたいなどご要望があれば是非、近畿会お問合せサイトまでお寄せください。