前ITC近畿会会長 田内 幸夫
ITC近畿会の位置づけ
会員数が300名近くであったものがこの数年は減少傾向(減少の理由は前回書いています)であってもITC近畿会はその後も前向きな活動を続けるべく努力して参りました。
各種活動を企画するに当たっては、「会員ITC近畿会に何を期待するか?」を知るべく何度かはアンケートを試みましたがその結果、「研修会の開催」、「人脈形成」等が多いもののその期待は多岐にわたっていました。
一方、第二回目に少し書きましたようにITコーディネーター協会は全国のITCコミュニティー団体の方向性を調査し、「事業を行う組織」と「勉強会中心の組織」かの択一の選択を求めてきました。
ITC近畿会は理事全員で協議した結果「事業を行う組織」として登録することにしました。(現在は全国に180組織が存在しその内97組織が「事業を行う組織」として登録されている)
また、ITC近畿会の会則には以下のように明記しています。
第4条(事業) 本会は第3条の目的を達するため次の事業を行う。
(1) ITCの啓蒙,普及を目的とした各方面経営者や関連団体向けのセミナー,講演会,その他の活動。
(2) ITCノウハウの研鑚,維持,向上を目的とした研究会,研修会の実施。
(3) ITCが日常活動を展開する事に対する各種側面支援。
(4) ITC関連情報の収集と会員へのフィードバックサービス。
(5) 会報,論文,書籍などの刊行,頒布。
(6) その他本会の目的に必要な事業。
しかしながら、ITコーディネーター協会の言う「事業を行う組織」というのは「企業等からITCとしての仕事を受託する」とのことであり、ITC近畿会の会則に謳っている事業はどちらかと言うと「勉強会中心の組織」に近いようにも思えます。
だからと言って、企業から仕事を受けることは避けたわけではありません。
ITコーディネーター協会他から「支援希望企業」の照会があったときは会員宛にこれを広報したり、ホームページの中に企業経営者向けに「ちょっと相談」を受ける旨の記事を書いたりしましたが、その成果はほとんどありませんでした。
そのような状況の中で、本格的に事業を展開してはどうかとの意見も出され、議論も重ねました。
しかしながら、「ITC近畿会は任意団体であり、法人格を持たないため会として仕事を受託できない、また責任が不明確になる」、「企業から仕事の依頼があった場合、多くの会員から受託者の選抜が困難であり不公平さが出る可能性がある」等の問題解決が出来ず、現在に至るまで前向きな営業活動はしないままになっています。
ITCカンファレンス大阪大会
このような状況の中、ITC中部は本格的事業展開の手段として07年6月に「ITCカンファレンス名古屋大会」を開催し約500名の参加で大成功であったといわれています。(毎年秋に東京で開催のITCカンファレンスはITC向けの大会であり、地方大会は企業経営者向けとされている) このようなことから、昨年(07年)末にITコーディネーター協会は「08年度のカンファレンスの地方大会(第二回目)の公募」を開始しました。
そこで、ITC近畿会は関西地区のコミュニティー団体に声を掛け、賛同した全てのコミュニティー団体が結束して、関西にこれを誘致すべく応募いたしました。その結果、他の地区で応募した組織もなく、関西大会が採択されました。その準備を開始し、実行体制を如何にすべきかの協議を始めました。
ところがITコーディネーター協会から「この大会は事業展開を主目的としたものであり、その実行体制の主体は明確に事業をしている団体がその中心になるべきである」との事から関西の別のコミュニティー団体がその中心となり進めよとの連絡を受けました。それに対し、「関西地区のコミュニティー団体が団結して開催するのだから・・」と説明しましたが受け入れられず、結果的にはITC近畿会は会員の有志のみが個人的に準備等に参加することにしました。
このことは、ITC近畿会が事業を行う組織として認められていないとのことであり、大変残念な結果に終わったと思っており、今後の方針を再確認・再設定すべきであると思っています。
ITC近畿会の今後
私自身は今年の6月の総会において6年余り続けてきた会長を辞任しその後任として森紘一郎氏にお引き受けいただきましたことはご存知の通りでありますが、会長が交代した今こそITC近畿会の改革に着手して欲しいと思っております。
しかしながら、今年の総会への参加者は期待より大幅に少なく(特に総会終了後の意見交換会は少し寂しい感がありました)このままでは伝統のITC近畿会が消滅しないかの危機感を感じるほどでした。
現在の会員はその所属が多岐で、また会への期待内容も多岐に亘っていますので、今後の方向性は会員の皆様に満足いただけるようにするのは大変難しいことでありますが、理事全員が知恵を絞っての討議が始まっています。(議事録がホームページに掲載されていますので、是非ご一読下さい)
従来は、会の方向性や事業等は理事がボランティア活動の中で献身的に遂行してまいりましたが、ITC近畿会の発展のためには会員全員がこの活動に参加して欲しいと思います。具体的には会のホームページを通じて色々な意見や提案を書いていただきたいのです。即ち会の発展のためには全員参加が必須であるに違いありません。
現在の活動の中で、勉強会については会が主催できるのは4回/年間との協会の制約があるため、関西地区での連携団体を形成しお互いに会員として参加できるような仕組みを作っており、会員ならば安価な参加費で知識ポイントの対象となる研修会に参加できます。
また、最近のITに関する話題については上記研修会の他特に重要と思われる事項についてはその専門の研究会を立ち上げようとの事から、「SaaS研究会」も設立され、既に数度の研究会が開催されていますがこれにも多くの会員の参加が期待されています。
このような活動のみならず、また単なる仲良し団体ではなく発展するためにはこの文書をお読みいただいた皆様のITC近畿会活動への積極的参加が不可欠であると信じています。
是非とも、ホームページを通じる等により活動への建設的ご提案を期待しこの連載を終わりにさせて戴きます。
喋るのはともかく、文才の無い私の拙い文章をお読みいただきましたことに感謝申し上げると共に皆様の今後の益々のご発展を祈念申し上げます。
ありがとう御座いました。 (終わり)
執筆者紹介
1966年 NEC日本電気(社)入社、SEとして、主として鉄鋼業の大型システム開発に従事。その後営業職に転じ、関西地区で営業部長。同社関連会社に出向し、システム技術本部長等を歴任。
1997年 住友金属システム開発(株)に出向し、取締役。2000年 NECに復帰し新規事業企画を担当。2003年 NECを退職。2004年 有限会社エスアイエルを設立し同社代表取締役に就任。現在、主として関西地区中堅・中小企業のIT化支援活動に従事。
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