ITCケース研修レポート ビジネスモデルを策定

  • 2008年8月16日(土) 00:00 JST
  • 投稿者:
    HP委員会
第10回 ビジネスモデル策定

                                  ITCインストラクター 大塚有希子

 ITCの皆さん、ITCを目指しておられる皆さん、こんにちは。
ITCインストラクターの大塚有希子です。今回はいよいよビジネスモデルを策定します。

 これまでの演習では、経営者の思いや経営環境を踏まえ、いくつかのCSF(クリティカルサクセスファクター =「重要成功要因」)を抽出しました。

 これらの重要な戦略課題を「儲かる仕組み」つまりビジネスモデルとして利益と繋がるようにストーリー展開していきます。様々な方法がありますが、最近のケース研修はBSC(バランスト・スコア・カード)の手法が紹介されることが多いようです。

 BSCは米国のコンサルタントのノートンと研究者のキャプランが開発した手法で、アクションプランを「財務」「顧客」「業務プロセス」「人材と開発」の4つの視点に分類した上で、それぞれのアクションプランが利益に繋がっていることを「戦略マップ」として図式化するものです。日本では横浜国立大学の吉川教授によって紹介されましたが、ケース研修参加者の所属する企業でも取り入れている場合ことが少なくありません。

 これまで、企業戦略目標は財務指標にのみ注目されがちでしたが、BSCは社内外の視点や人材などの経営資源開発を長期的な視点として取り入れた事が画期的だと言われています。それらの社内外・長期的な視点によるアクションプランを財務の視点である利益(米国では本来は株主利益としている)に結びつけることで、それぞれのアクションがビジネスモデルとして儲かるしくみを構成していることが視覚的に確認できます。

 また、BSCの特徴として、各アクションプランにKGI(Key Goal Indicator)KPI(Key Performance Indicator)と呼ばれる指標を設定します。数値目標値を設定しモニタリングすることがアクション実施に現実性と実効性を持たせると考えられているのです。

 ビジネスモデルの可視化や指標設定は、特に大企業など大きなプロジェクトでは、夫々の業務の成果がビジネスの最終成果に繋がっていることを担当者が認識するためにも有効です。

 ビジネスモデル策定に際してはリスク分析も重要です。戦略や目標設定にあたって考えられるリスクをリストアップし、発生度合や影響度合、緊急度などを鑑みながら優先順位を検討します。優先度によっては、リスク対策をアクションプランとしてビジネスモデルに盛り込みます。
 これらによって経営戦略が完成するのです。

             

 さて、経営戦略策定にずいぶん時間がかかりましたね。実はITCではITを経営戦略実現の手段と考え、戦略策定にかなり時間をかけます。ケース研修15日の半分以上が戦略策定の演習に費やされます。

 次回は情報化戦略策定のお話をしますが、基本的なプロセスは経営戦略の策定と変わりません。経営戦略アクションの中で情報化関連の部分について、経営戦略策定と同様に現状分析と目標設定(AsIsとToBe)、成熟度やリスク分析を行って詳細化していく演習です。このようなわけで演習課題自体は多くありません。経営戦略策定の復習と考えながら経営情報化戦略を策定していきましょう。

 ご感想・ご意見やケース研修についてこんな事が聞きたいなどご要望があれば是非、近畿会お問合せサイトまでお寄せください。



執筆者紹介

大塚有希子
 
 
   銀行経営戦略部勤務を経て独立。人事・財務・経営情報化を中心に全国で中小
  企業の経営戦略策定実行支援を行う傍ら、2001年よりITCインストラクターとして
  ITC育成や大学における指導を行う。
   数少ない女性インストラクターの中でも気さくな人柄と、豊富な実績事例でケース
  研修の盛り上げ役として大阪地区だけでなく、東京地区をはじめ  全国のケース
  研修に出講している。
   また、幅広いネットワークで受講生からの相談に応えるなど、研修修了後も受講
  生のお姉さん的存在として頼りにされている。
    有限会社FPサポート   http://www.fp-s.co.jp/

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