ITCケース研修レポート 経営戦略フェーズの演習 その3

  • 2008年4月20日(日) 21:43 JST
  • 投稿者:
    HP委員会
第9回 経営戦略フェーズの演習 その3

                                  ITCインストラクター 大塚有希子

 ITCの皆さん、ITCを目指しておられる皆さん、こんにちは。
ITCインストラクターの大塚有希子です。今回も経営戦略策定の演習についてお話します。

 これまでの演習では
(1)「ビジョン・ミッション」「経営方針」「経営目標」といった社長の思いを確認し、
(2)顧客層とニーズ、企業の強みから企業の収益の基盤としての事業領域を確認しました。
(3)サプライヤー、顧客、同業他社、新規参入、他業態(代替サービス)の視点や
(4)経営成熟度(場あたり的・属人的・マニュアル化・モニタリング・最適化)を分析し
(5)現状分析に加えて、あるべき姿を明確にしてきました。
いよいよ経営戦略策定フェーズの演習の山場に入っていきます。

(6)SOWT分析
よく知られている分析手法で、経験のある方もおられるかもしれません。経営環境を強み(Strength)弱み(Weakness)機会(Opportunity)脅威(Threat)の視点から分析します。強みSと弱みWは会社の内部環境、機会Oと脅威Tは外部環境を表します。
 議論をまとめるために、グループ内で拒否することのない意見を出し合う“ブレンストーミング”や意見を記載したカードを並べ替えることにより関係性を見つけ出してゆく“KJ法”などの技法も利用します。

 SWOT分析をやってみると以外と分類が難しく、チーム内で意見が分かれることもあります。例えば「経営者にリーダーシップがある」のは強みですが「ワンマン経営」なら弱みになりますね。
 この分析は個人の主観的な意見を集めて分析する手法なので、ひとつの事象が違った解釈となるケースはよくあります。各チームの演習回答も違ったものになりますし、現実の企業でも対象部署や時期など参加者の背景によって違った結果になることも多いのです。
 インストラクターはケース研修をとおして「経営に“正解”はありません」と強調していますが、演習のアウトプットもチームで違ったものになってかまいません。
 ひとつの特徴が強みにも弱みにも成り得ることや自分とは違った視点に気づくこと、それぞれの事象の関係性の議論を通してチームで共通認識をつくることが重要なのです。そして、チームは“正解”を求めるのではなく、分析を元に“決定”をしていくのです。

(7)クロス分析
 SOWT分析の結果を元に、「弱みを強みにするためには」「機会(ビジネスチャンス)を強みで取り込むためには」など、強み・弱み・機会・脅威を組み合わせて、その対応策を検討していきます。
 この時点では、できるだけ沢山の対応策を出すことを目標に演習を行いますが、根本的な問題がいくつか議論をしているうちに浮かび上がってくることでしょう。

(8)戦略目標の設定
 クロス分析で検討した対策リストを見ながら、優先順位や重要度、リスク等を検討します。
 特に優先度や重要度の高いものを「戦略目標」として戦略策定の重要なポイントとして次の演習に繋げます。
 プロセスガイドラインにはCSF(Critical Success Factor=重要成功要因)として記載されているものですが、この辺りを勉強される方は一般的なビジネス用語として覚えておかれてもよいかもしれません。

          

次回は設定した戦略目標を元に、ビジネスモデルを可視化する手法のご紹介をします。

ご感想・ご意見やケース研修についてこんな事が聞きたいなどご要望があれば是非、近畿会お問合せサイトまでお寄せください。

 

執筆者紹介

大塚有希子
 
 
   銀行経営戦略部勤務を経て独立。人事・財務・経営情報化を中心に全国で中小
  企業の経営戦略策定実行支援を行う傍ら、2001年よりITCインストラクターとして
  ITC育成や大学における指導を行う。
   数少ない女性インストラクターの中でも気さくな人柄と、豊富な実績事例でケース
  研修の盛り上げ役として大阪地区だけでなく、東京地区をはじめ  全国のケース
  研修に出講している。
   また、幅広いネットワークで受講生からの相談に応えるなど、研修修了後も受講
  生のお姉さん的存在として頼りにされている。
    有限会社FPサポート   http://www.fp-s.co.jp/

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