ITCインストラクター 大塚有希子
ITCの皆さん、ITCを目指しておられる皆さん、ご無沙汰しています。
ITCインストラクターの大塚有希子です。今回は、前回に引き続き、経営戦略フェーズの演習についてお話します。
経営者の意思確認の後、ITCとしてプロジェクトを開始することになったところから始まった演習は、
(1)「ビジョン・ミッション」「経営方針」「経営目標」といった社長の思いを確認し、
(2)顧客層とニーズ、企業の強みから企業の収益の基盤としての事業領域を確認しました。
(3)5F分析
ハーバード・ビジネススクールのマイケル・E・ポーター教授は、経営環境は5つの力(Force)関係で分析できると言っています。日本では「5つの競争要因」と翻訳されることも多いのですが、「買い手の交渉力」「供給企業の交渉力」「新規参入者の脅威」「代替品の脅威」「競争企業間の敵対関係」の5つ視点から対象企業を分析する演習を行います。
そして、業界内での対象企業の位置づけを客観的にとらえるわけです。
実際のコンサルティングでも、中小企業では自社を客観的に確認する機会が少ないこともあり、プロジェクト参画メンバーから有意義だったと喜ばれることの多いワークです。
座学では他にも、コトラーの戦略や、4P分析、PPMといった経営学でお目にかかるような理論も紹介されますが、最近の教材演習はほとんど5F分析を行っています。

(4)成熟度調査
ITCでは「成熟度」という考え方を多用します。
日本経営品質賞による経営成熟度の尺度の他、COBIT・CMMなどのITに関する成熟度、プロジェクトマネジメントに関する成熟度など成熟度モデルは様々ですが、おおむね5から6段階となっており、一般的には
レベル1は「場当たり的」
レベル2は「属人的」
レベル3は「マニュアル化されている」
レベル4は「成果をモニタリング(測定)できる」
レベル5は「悪いところを“見直し”するしくみが制度として整っている(最適化)」
といった感じの基準となっています。(これに「存在しない。意識がない」というレベル0を加えれば6段階となります。)
特にレベル4、5は、PDCAのCheck(モニタリング・評価)とAction(見直し)が組織として出来るようになっていることがお分かりでしょうか?
(5)現状分析(AsIs)とあるべき姿(ToBe)
またITCでは、「現状」分析の結果を受け「あるべき姿」も明確にしていきます。
例えば、これまで演習した事業ドメインや経営成熟度の結果を利用して、リスクや実現性を考慮した後の「あるべき姿」を再設定する演習を行います。
慣れないうちは、演習中に議論が白熱し細部に及んでくると、何をやっているのか判らなくなってしまう事もあると思います。
そんな時には落ち着いて、何を分析しているのか、現状の洗出しなのか、将来像を検討しているのかを再確認してみましょう。
ただ、演習の場合は架空の企業についての分析ですが、現実のプロジェクトでは参画者の自分の企業でもあり、皆が日頃から感覚的に感じていることのすり合わせといった意味あいが大きく、以外と淡々とワークすることができるようです。
この時、すり合わせた分析結果や将来像を文書化し明確にすることは、チームの共通認識確認事項としてこれからプロジェクトをすすめる上で非常に重要なものとなります。
この先 まだまだ演習は続きますが、できあがったアウトプットを、ぜひチーム全員で愛してくださいね。

また、ご感想・ご意見やケース研修についてこんな事が聞きたいなどご要望があれば是非、近畿会お問合せサイトまでお寄せください。
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執筆者紹介 大塚有希子
銀行経営戦略部勤務を経て独立。人事・財務・経営情報化を中心に全国で中小
企業の経営戦略策定実行支援を行う傍ら、2001年よりITCインストラクターとして
ITC育成や大学における指導を行う。
数少ない女性インストラクターの中でも気さくな人柄と、豊富な実績事例でケース 研修の盛り上げ役として大阪地区だけでなく、東京地区をはじめ 全国のケース
研修に出講している。
また、幅広いネットワークで受講生からの相談に応えるなど、研修修了後も受講
生のお姉さん的存在として頼りにされている。
有限会社FPサポート http://www.fp-s.co.jp/
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