「ITC道」
ITC近畿会 会長 田内幸夫
日本の古来の芸道、武道(書道、華道、茶道、柔道、剣道・・・)の習熟過程を説明する言葉に、「守、破、離」というのがあります。これは、「物事を学び始めてから,独り立ちしていくまでの三つの段階。最初は教えを守り,次に自分なりの発展を試み,最後には型を離れて独自の世界を創り出していく。」との意味であります。
私たち,ITコーディネータにとってもこれが当てはまると言われています。そして、私はこのことを「ITC道」と名づけて居ます。

即ち、「守」は、ITCのプロセスガイドライン(五つの主要プロセス、とプロジェクトマネージメント、モニタリング・コントロール、そしてコミュニケーションの各能力)とレファレンスを学び、その教えの通り実践すること。「破」の段階では、自らの経験を元に、自分なり、対象企業なりの発展を試み、そして「離」の段階に至って、はじめて独自のスタイルを創り出すこと、との意味です。
ところが、このITC道を極める事は、そう簡単なことではないと考えています。
では、何故「離」の段階まで進むのが難しいのかを考えて見ますと、一つにはITCの知識体系が非常に幅が広いということです。元々ITCはある意味では博識であり、業務経験が豊富な人物ではありますが、夫々に得意分野を有していても、やや弱い分野も有る訳で、全ての分野で知識が豊富という人は中々居ないからです。
二つ目には、全ての環境の変化が激しく、全てにおいてその変化に追随することが難しいということです。社会、経済、文化等の外部環境の変化で、経営環境は大きな影響を受け、企業の強みや、弱みは大きく変化しますし、IT分野での進歩は昨日の技術が、今日は陳腐化するのは当たり前のことになっています。これら全てを瞬時に識別するのは困難といえるでしょう。
この様な事を考えるとき、ITC道は終点が無いといえるのです。この事は、登山に譬えることが出来ます。険しい山道を必死になって登って、その山頂に到達したとき、その達成感、征服感は味わえ、満足が行くものでしょう。しかしそこで、周りを見渡したとき、まだまだ高い山が、すぐ近くに聳えているのです。
では、どうすれば、ITC道を極め、「離」の領域に近づけるのでしょうか。このことに、正解はありません。ただ言える事は、険しい山道もたった一人で登るのではなく、何人かのチームで、お互いに助け合いながら、登ると山頂に到達できる確率はきっと高くなるに違いありません。
そこで、ITC道を目指す、仲間たちが、互いに研鑽し、協力し、励ましあいながら進んでゆく。その仲間が、ITC近畿会でありたいと思っています。
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